26棟タテ割りガキンチョ集団が自然消滅的解散の憂き目にあってから、僕はひとつ年上のひろくんと一緒に遊ぶことが多かった。ひろくんはすごく面白くて、二人でそれはそれはくだらない遊びを考え出しては飽きずに楽しんでいた。
雨上がりの水たまりがいっぱいの中央公園で座り込んで、ワンフレーズだけの変なオリジナルソングを繰り返し歌いながら、ずーっと泥をこね回していたこともあった。今だにそのしょーもない歌を覚えている。
小学校低学年の児童にとっては大きな道路を越えて、しかも学校の校区外に行くことは結構な冒険だ。そんな冒険をしたことは親には言ってはいけない。どうせ叱られるに決まっているし、下手をすると今後の自由な活動に影響を与える羽目になるかもしれない。冒険=秘密なのである。
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